漫画村とは|、2016年頃にはじまった海賊版サイトです。
運営者が逮捕の際はニュースでも取り上げられましたね。
海賊版サイト「漫画村(まんが村)」は、漫画をはじめとする作品70,000巻以上を違法に掲載していた海賊版サイトです。
2018年4月に閉鎖しましたが、2018年3月に最盛期を迎えており、1年弱の間に5億回を超えるアクセス数があったそうです。
そんな漫画村は違法にコピーした漫画などのコンテンツを掲載した海賊版サイトでした。
そして、違法コンテンツによって広告収入を得ていたのです。
さらに、サイトの閲覧者に仮想通貨をマイニングさせる「コインハイブ」というプログラムが仕掛けられていました。
そこで今回の記事では、コインハイブについて、実際に起きた事件とともに解説していきます。
それでは最後までお読みください(^▽^)/
目次
コインハイブとは
コインハイブとは一言でいうと、「ウェブサイトの管理者が仮想通貨(暗号資産)で利益を得るプログラム」のことです。
コインハイブは、自身のサイトに設置すると、そのサイトに訪れた人のコンピューターを使って勝手にマイニングをさせることができるのです。
仮想通貨(暗号資産)のマイニングとは、仮想通貨の取引内容を承認し、取引を成立させる作業のことをいいます。
マイニングという行為は、CPUパワーなどかなりのコンピュータの処理能力が必要となります。
つまり、Webサイトの管理人は、コインハイブというプログラムを使い、サイト閲覧者のコンピューターにマイニングをさせることで、自分のコンピューターの計算能力を消費することなく、報酬だけ得ることができるわけです。
サイトを訪れる人が増えるほど、マイニングをするコンピューターが増え、報酬も増えることになりますね。
このコインハイブというプログラムは、2017年から提供され、2019年には提供中止になっています。
コインハイブ事件とは?
コインハイブを使って報酬を得ることは、刑法が定める犯罪の一つである不正指令電磁的記録保管罪として処罰できるのかどうかが問題となりました。
2022年3月14日に起きたコインハイブ事件では、被告人であるWebデザイナーの男性が、コインハイブを自身のWebサイトに設置し、閲覧者の同意を得ることなくマイニングを行わせて、その収益を自分のものにしていた行為について裁判が起こりました。
コインハイブは違法なのか
サイトの運営者は、バナー広告などを自身のサイトに張り付けて、報酬を得るのが一般的です。
ただし、広告だらけだと、サイトのイメージが悪く、見栄えも良くないです。
そこでコインハイブを利用すると、画面には何も表示されず、サイトのデザインを崩すことが無く、見やすくなります。
利用するプログラムは、コンピューターから情報を盗み取ることはありませんし、サイト閲覧ソフトを閉じれば、プログラムも消えます。
しかしサイトを閲覧した人のPCなどを勝手に利用するのはどうかという意見もあります。
たしかに、自分のPCを勝手に使われるのは気持ちいいものではないです。
コインハイブ事件の全容
コインハイブが犯罪であるか否か、社会的な評価が定まらない中で、捜査機関は、コインハイブを違法なコンピューターウイルスだとみなし、使っていた人たちの摘発に乗り出しました。
今回、裁判では、コインハイブを自分のサイトに組み込んだウェブデザイナーの男性が起訴されました。
被告人は、「コインハイブがサイトの運営資金の獲得につながるのか試してみた」ということですが、この行為によって刑事裁判の被告の立場に置かれました。
適用されたのは、サイバー犯罪対策として2011年に設けられた、刑法の「不正指令電磁的記録」に関する罪(コンピューターウイルスに関する罪)です。
正当な理由なくウイルスを作成したり、提供したり、保管したりすると処罰の対象になります。
今回のケースでは、コインハイブをサイトに組み込んだことが、ウイルスを保管する罪にあたるとされました。
しかし、何がウイルスにあたるのか、条文には解釈の余地があり、立法の段階から、捜査機関の解釈しだいで、処罰すべきではないものまで摘発の対象になってしまうのではないかという懸念の声が上がっていました。
そして被告となった男性が無罪だと訴えたため、この議論は刑事裁判に持ち込まれることになりました。
コインハイブはウイルスなのか
違法なウイルスにあたるかどうかは、条文に書かれている2つの要件を満たすかどうかで判断されます。
「利用者の意図に反しているか?」「社会的に許容されないような不正か?」
裁判はこの2つが争点になりました。
「利用者の意図に反しているか?」は、1審の横浜地裁も、2審の東京高裁も、利用者の意図に反していないとしました。
サイト上には、コインハイブについては何も表示されず、閲覧した利用者には、自分のコンピューターが使われていることがわからないからです。
社会的に許容されないような不正かどうかは、1審では社会的に許容されないものではないとして、無罪の判決でしたが、2審は、社会的に許容されないとして、罰金10万円の有罪判決を言い渡しました。
最高裁の判決
1審の横浜地裁と、2審の東京高裁で意見が分かれ、最高裁の判断に委ねることになりました。
最高裁では、意図に反しているという点は認めましたが、社会的に許容されるとして、違法なウイルスではないと判断し、無罪の判決をだしました。
最高裁がまず注目したのは、他人のコンピューターに与える影響です。
コインハイブが組み込まれたサイトを閲覧すると、その人のコンピューターは処理速度が遅くなったり消費電力がやや増えたりしますが、最高裁は、「閲覧者がその変化に気付くほどのものではなかった」と指摘しました。
そして、最も重視したのは、コインハイブの利用法です。
今や、ウェブサイトを通じた情報の流れは、社会に欠かせません。
最高裁は、サイトの運営者が利益を得る仕組みは社会にとって重要だという判断を示し、コインハイブはまさにそのために使われた仕組みだと指摘しました。
そして、同じ仕組みとして広く普及しているネット広告と比較して、コンピューターに与える影響の程度に差はないことなどから、社会的に許容できると認めました。
漫画村の仕組み
漫画村でもコインハイブを利用してました。
しかし、コインハイブは違法ではないと判断されましたが閉鎖に追い込まれました。
それは、漫画村ではコインハイブ以外にも違法行為を行っていました。
漫画村のような海賊版サイトが違法行為で収益を得る仕組みを説明します。
著作権の侵害
漫画村のような海賊版サイトは、著作権を侵害して、本来有料のコンテンツを無料でサイト上に掲載し、ページへのアクセス数を稼いでいます。
不正広告が表示
漫画村のページには広告が表示され、アクセス数に応じて広告費が発生します。
また、漫画村にアクセスする際には、リーチサイトと呼ばれるリンクサイトを複数経由する場合があり、リーチサイト上にも広告が表示されます。
表示される広告には、さまざまな種類のアドフラウド(広告詐欺)が検知されています。
海賊版サイトに見られるアドフラウドの具体例には、主に以下のものがあります。
・bot(自動化プログラム)による広告表示数・クリック数の不正水増し
・ユーザーが視認できないサイズや掲載場所での広告表示
アドフラウドによって不正に得た広告収入は、海賊版サイトの主な収入源になっています。
コインハイブ事件とは、わかりやすく解説!漫画村の仕組みまとめ
今回の記事では、コインハイブについて、実際に起きた事件とともに解説してきました。
コインハイブ事件では、裁判の結果、無罪ではありましたが、漫画村では違法サイトとしてへいさされています。
漫画村とは|、2016年頃にはじまった海賊版サイトです。
運営者が逮捕の際はニュースでも取り上げられましたね。
海賊版サイト「漫画村(まんが村)」は、漫画をはじめとする作品70,000巻以上を違法に掲載していた海賊版サイトです。
2018年4月に閉鎖しましたが、2018年3月に最盛期を迎えており、1年弱の間に5億回を超えるアクセス数があったそうです。
そんな漫画村は違法にコピーした漫画などのコンテンツを掲載した海賊版サイトでした。
そして、違法コンテンツによって広告収入を得ていたのです。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました^^